SPIN営業は商品説明・カタログ営業ではなく、顧客の顕在ニーズに対して売り手の商材を使い解決策を提案(ここでは製品の利点ではなく商品の利益)する事です。
そのためには顧客の潜在ニーズを引き出し、顕在ニーズに育て上げる必要があります。
前回の示唆質問では買い手の潜在ニーズを顕在ニーズに引き上げる為の質問でした。
本記事では買い手の課題が解決したことに対しての付加価値に気づかせる解決質問です。
SPIN営業質問の流れ
- 状況質問 (顧客の客観的・環境についての現状を把握する)クローズ質問に近いです
- 問題質問 (顧客の問題点の聞き出し、どう思っているのか聞きます)潜在ニーズ
- 示唆質問 (顧客の課題についてこのままでいいのか、潜在ニーズ顕在化の第一歩)顕在ニーズ
- 解決質問 (顕在ニーズを顧客に語らせ、課題や問題が解決した望ましい状態を確認)
- 商品説明 (特徴・利点・利益の説明。実際には利点→特徴→利点→利益)を話す
本記事では上記の解決質問について説明します
解決質問の特徴
大きな特徴は3つあります。
・買い手に問題・課題を解決させる質問をすることで買い手が課題解決に目を向き、提案を受け入れてくれる状態にすること。
・潜在ニーズを顕在ニーズに変えること (示唆質問と同じなので、あとで説明します)
・顕在ニーズを買い手から話してもらい、その課題を売り手・買い手の中で明確化させる事
・買い手に問題・課題を解決させる質問をすることで買い手が課題解決に目が向き、提案を受け入れてくれる状態にすること
示唆質問によって顕在ニーズがわかりますが、示唆質問はネガティブな質問が多く、顧客が提案を受け入れる状態でない為、解決質問を使って買い手を、売り手の提案を受け入れる状態にします。
買い手の問題が解決した望ましい状態を確認する質問
・潜在ニーズを顕在ニーズに変えること
それは示唆質問でやったからいいのでは?と考える人もいるかもしれません。
実際の現場では示唆質問と合わせて解決質問を使います。
なぜなら顕在ニーズには2つの顔があります。
一つは問題点・・・示唆質問
一つは問題解決の欲求・・・解決質問
この二つの質問、顕在ニーズに成長させる役割は似ていますが、
簡単に違いを説明すると、示唆質問は暗く、解決質問は明るい。ここが大きな違いです。
・顕在ニーズを買い手から話してもらい、その課題を売り手買い手の中で明確化させる事
顧客自ら解決した未来を話すことによって、顕在ニーズや課題は明確化します。
ここを共有することで後に待っている商品説明のお客さんだけに当てはまる利益の説明がしやすくなります。
また大型商談の場合、社内に決済や稟議をあげるケースが殆どです。
その場合、売り手が一方的に顧客の利益を決めつけるより、買い手が自ら課題を認識することで
社内プレゼンテーションの質が高くなります。
解決質問の注意点
解決質問の難しい点として、利益を説明しない事です。
課題を解決したビジョンが見え明るくなった時に、売り手が買い手の利益を説明してしまっては非常にもったいないです。
人間の心理は相手の言葉に説得されるより、自分の言葉に説得された方が効果的です。
ここでは利益を説明するのではなく、利益を尋ねます。
00が解決したとして、00の課題は円滑に進むようになりますか?
00が解決したとして、00の課題は円滑に進むことになりますね。
上記は利益を尋ねた場合と説明した場合です。
小さな差に感じるかもしれませんが、この段階では利益は必ず尋ねてください。
ここで説明すると買い手より売り手が気持ちよくなるだけです。
解答質問例
解答質問に該当する質問の例です。
・買い手 家賃20万円で高くて自分に何かあったときに家族に負担がかかる
売り手 あなたが働けなくなった時に家賃負担がなくなれば、それはあなたの家族にどのよういい影響を与えますか?
家賃が下がった時にあなた自身や家族にどのようないい影響を与えますか?
などです。
このように解答質問をすることで買い手自ら顕在ニーズを話すことで顕在ニーズがより明確化します。
そして問題が解決することによる付加価値を感じることで顕在ニーズが問題から解決への欲求へと変化します。
ここまできて初めて商品の説明が許されるのです
解決質問まとめ
・買い手に問題・課題が解決したあるべき状態を語ってもらう
・潜在ニーズを顕在ニーズに変える
・買い手と売り手の間で問題・課題を共有する
・利益は説明しない、尋ねる
以上になります。
次回はいよいよ商品の説明となります。
3つの商品説明 F(特徴)A(利点)B(利益)です。
・SPIN話法について【SPIN営業の概要】
・状況質問について
・問題質問について
・示唆質問について【前記事】
・商品説明B-FABについて【次記事】
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