状況質問

SPIN営業は商品説明・カタログ営業ではなく、顧客の顕在ニーズに対して売り手の商材を使い解決策を提案(ここでは製品の利点ではなく商品の利益)する事です。

そのためには顧客の潜在ニーズを引き出し、顕在ニーズに育て上げる必要があります。


SPIN営業質問の流れ

  • 状況質問 (顧客の客観的・環境についての現状を把握する)クローズ質問に近いです。
  • 問題質問 (顧客の問題点の聞き出し、どう思っているのか聞きます)潜在ニーズ
  • 示唆質問 (顧客の課題についてこのままでいいのか、潜在ニーズ顕在化の第一歩)顕在ニーズ
  • 解決質問 (顕在ニーズを顧客に語らせ、課題や問題が解決した望ましい状態を確認)
  • 商品説明 (特徴・利点・利益の説明。実際には利点→特徴→利点→利益)を話す

本記事では上記の状況質問について説明します。


状況質問の目的

買い手の現状や状況について、客観的な部分を知るための質問です。
SPIN話法は買い手のニーズを把握する為の「発見するための質問」です。
買い手の状況がわからないと、問題点を引き出す潜在ニーズにつなげる質問ができません。
(実際にはあらかじめ予測できるので、1から100まで状況質問をする必要はないです)


状況質問の特徴

・状況質問は他の質問と比べて簡単な質問です。
特に初期の段階には非常に重要な質問でもあります。
客観的な事由を確認するのでYES・NOで答えることができる質問です。
事実を知っていれば担当者でも答えることができます。
例)決済者の年齢・経歴・家賃・職業等

こんなに簡単ならこのSTEPは飛ばそう。
これなら準備なしでぶっつけ本番で試そう。

上記のように状況質問を軽視する方も中にはいますが
状況質問は簡単が故に質問自体がマイナスに繋がることも多い質問なので注意が必要なんです

顧客からすると、セールスのサービスタイムになるんですよね。

・状況質問の数については成約率の大きな影響はなく、成功例よりも失敗例の方が状況質問が多かったそうです。


状況質問の落とし穴

状況質問は買い手と売り手どちらに利点があるかというと、ほぼ100%売り手に利点があります。
売り手が買い手に一方的に質問する つまり、状況質問は多ければ多いほど、買い手から嫌悪されてしまう質問でもあるのです。

プライベートの友人や知り合ったばかりとの異性など、最初に状況質問から始まることが多いです。
・出身はどこ?
・今どこに住んでるの?
・仕事は何をしている?
・趣味は何?
・好きな曲は?



プライベートとビジネスの大きな違いは
プライベートはお互いが相手のことを知ろうとするから話が広がります。
ですが、ビジネスではここが大きく違ってきます。
基本的に買い手は売り手にプライベートほど興味を持ってくれません。

プライベートに置き換えると、好きでもない人間に一方的に質問すると疲れてきて「なんかこの人苦手だな、聞かれてばかりで嫌な気持ちになるな」と感じるものです。

ましてや買い手にとっては売り手は一人ではありません。
初対面の営業パーソンからはほとんど高確率で状況質問を受けています。

特に注意が必要なので顧客を引き継いだ時です。
同じ質問を繰り返すと、そんなことも引き継ぎができていないのかなど、マイナスに作用します。


状況質問 具体的な対策について

状況質問は簡単だから考えもなく無闇に質問するべきでないと説明しました。
ですが重要な質問には変わりないのでいくつか状況質問の注意点を記載します


・質問の前には前置きを入れること
いくつかご質問したいので、お伺いさせていただいてもいいですか?
お客様にあった商材をご提案させていただきたいので、いくつかご質問してもいいですか?
会社を上げてお客様のお役に立ちたいのでいくつかお伺いしてもいいですか?

・質問の数を絞ること
状況質問は他の質問と比べて、質問数が少ない方が理想です。
特に経験の浅い営業パーソンは状況質問を多発する傾向にあります。
質問の数を絞るには引き継ぎであれば事前に状況を前任に確認すること。
今では企業の9割以上が自社のWEBサイトを所有しているので、HPで会社の規模や会社の方向性・取り扱っている商品などを確認すること。
企業が出している求人なども有力な情報が掲載されたりしています。
確認する前には〇〇で拝見しましたが、今も〇〇な状況でしょうか?など
このように前置きすることは大事です。
他にはウェイバックマシンで過去のWEBサイトの情報を見ることもできます。
参考にしてみてください。


状況質問例

状況質問に該当する質問です。

・今家賃は月にいくらお支払いされていますか?
・今の自宅は駅まで何分かかりますか?
・今の住宅環境はいいですか?
・今の間取りは狭いですか?
・広告費用にいくらかけていますか?
・求人採用に費用はかけていますか?
・何名採用予定ですか?
・集客ツールは何をお使いですか?
・今はなんの車に乗っていますか?


状況質問のまとめ

・状況質問は買い手のニーズを発見するための質問
・状況質問は他の質問よりも簡単なため、マイナスに作用することもある
・状況質問は絞った方がいい

以上になります。

次回は問題質問についての記事です。

この記事は2024年1月22日にリライトしました。

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