SaaSは拡張性が高く、従来のオンプレミス型のプロダクトと比べると拡張性の高いサービスです。
ですから、SaaSサービスを提供する、ベンダー側もプロダクトのSaaS化の流れが進んでいます。
ですが、SaaS化すれば全てうまくいくというわけもなく、SaaSプロダクトの中にはSaaSのスケールメリットを享受できないまま、日の光を浴びることなく消えていったプロダクトも沢山あります。
SaaS化について、日本語で読める書籍が増えてきました。
有名どころでいうと「ALL FOR SAAS」「THE MODEL」などが挙げられます。
SAASプロダクトの重要性はわかりますが、SaaS開発の課題について触れられている書籍がなかった事、実際にSaaSビジネスに参入して失敗した企業を多くみてきたので、SaaS開発についてビジネスサイドで説明します。
SaaSの責任範囲の違い
SaaSプロダクトは従来のオンプレミス型のパッケージと比べるとSaaS提供側の責任範囲が違います。
システムの構築〜システムの運用など、全てSaaS提供側の責任範囲となっている部分が従来オンプレミス側のソフトウェアと異なるポイントです。
つまり、運用コストが増えるという事です
SaaSは拡張性が高いサービスですから、本来利用者が増えるとその分利益幅が増えていくはずですが、間違った運用・無駄な運用をしてしまうと、利用者が増えると同時に運用コストも高くなってしまった結果、SaaSのメリットを享受できていない・・・
そのような企業を多くみてきました。
SaaSベンダー側の責任範囲
従来のオンプレミス型に対して、SaaSベンダー側の責任は多岐に渡ります。
例えば、ハードウェア・アプリケーション・ミドルウェア・OS・データなど、SaaSはマルチテナントであることが多いため、このような責任を持たないといけないユーザーが増えていくと、やはり従来パッケージに比べて責任が重くなります。
運用コストが高くなる要因として、無駄なSaaS機能を作ってしまったり、必要のない機能を作ってしまうと、そのサービスを利用する方が一人でもいると、その機能を更新・保守し続ける必要が出てきたり、
請求や従来課金の問題が発生したときに、運用スタッフの手が足りなくなり、人件費がかさんでいく、また人材を雇用するための採用費もかかってくるなど、
そのようなSaaSモデルを構築してしまっている事業者は意外に多くいましたし、営業の代行をすることもありますが、根本のSaaSの構築を考え直して方が、いいと思うこともあります。
(そんな簡単な問題じゃないと思いますが・・・)
SaaSプロダクトの落とし穴
SaaSのメリットについて前のSaaSとは という記事で紹介しましたがそのメリットの一つ、新規顧客の獲得です。
ユーザー側として、今まではオンプレミス型のシステムを導入する場合、多額の資金が必要になり、資金の潤沢な一部の企業しか利用できませんでしたが、SaaSはサブスク型、つまり今まで顧客となり得なかった層がターゲットとなります。
これこそがSaaSサービスの強みでもありますが、弱みにもなります。
SaaS ソフトウェアの重要性
ユーザー側が簡単に利用できるということは、逆を返せば簡単に辞めることもできます。
何を言いたいかというと、プロダクトを常に改善していく必要があります。
ですから、運用がうまく行かないと、プロダクト本体に当てる時間も資金も減ってしまって、肝心の商品の質が低下して、ユーザーが離れていくといった負のスパイラルが起きます。
SaaSは作ることがGOALではないです。
継続して利用され続けることがゴールになるため、運用にコストがかかります。
ですから、ソフトウェアの改善に力を入れるために、SaaSの運用方法は効率化していく必要があります。
そこがSaaSベンダーを悩ませている問題だと思います。
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